汚れることで怖いもの無しになる、のが小池修一郎なのだろうか。宙組生が自死したとされるパワハラ記事の流れで、男性相手のセクハラがリークされ「宝塚のジャニー」とされた最大御所演出家。
102期の遺族がいた雪組。それも故人がへアアイロン事件を世に出したのと重なるジャンヌ『ベルサイユのばら』で評価された音彩唯のために、『ポーの一族』ヒロインをメリーベルに変更するのだから恐ろしい。
ユーシスというメリーベル要因で「自殺」する役は、初演はほぼなしで外部はザックリ演じられた。しかしメリーベルをヒロインにすることで、よりしっかりと描かれそうだ。
数十年ぶりに火傷跡で被害者アピールする悪女ジャンヌを出し、今度は初演でほぼカットされた自殺エピソードをわざわざ入れるとしたら。
雪組は遺族のいた組だと思えないほど、事件を軽視し踏みにじる役目を担う。
そして音彩唯は、何故かいつも地雷と共にいる。
初演では圧倒的だったアラン・トワイライト役の縣千は、トップ娘役が同期~予科本科にしてもらず飛ばされている。御曹司とはいえない微妙な立場。
2番手の瀬央ゆりあはフランク・ポーツネル男爵。初演ヒロイン、シーラ役の小桜ほのかとは『シラノ・ド・ベルジュラック』で深い共演歴がある。
エドガーのシーラに対する淡い恋心は、初演以上に入る隙がないだろう。
御曹司ルートまっしぐら華世京のジャン・クリフォードや、ジェイン役の華純沙那ふくめ大人層が厚い。番手に沿ったバランスになるかもしれないが。
朝美絢さえ出せば何をやっても大丈夫、という「朝美絢頼り」によって雪組や宝塚歌劇団のコンプライアンス的な雑さや本音を表してしまう。
人種の違う「違和感の妹」とはいえ、メリーベルで近親相姦はさすがにタブーすぎる。アランとのBLっぽさは、どうしたって強まるだろう。
BL公演を、男性相手へのセクハラ疑惑のある小池修一郎がやるという問題は消えない。
この自殺+BL が1役に合わさったのが、花組で予定されている『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』のルドルフ。小池修一郎のセクハラを糾弾する記事でも「好みの男役」の象徴のように書かれていた。
実際に好みど真ん中として知られる凪七瑠海は、現役時代エリザベートに抜擢。ルドルフは今回も侑輝大弥と希波らいとの役替わりが発表された通り、ホープの出世と競争を煽る集客狙いに使われる役なのだが。
好みとされたのは『ポーの一族』と同じく、男役同士で重なり合う「闇が広がる」振り付けや魂を取るキスシーンなどやたらBLっぽいからだろう。
状況的にぼかすかと思いきや30周年のガラコンサートでも、ルドルフのBL っぱい場面と自殺は他の場面以上にガッツリやっていた。
つまり「もう配慮は一切しない」という表明である。
松尾演劇賞も受賞し、演劇界からもエールを送られている。支援されているのは退団独立なのか、宝塚歌劇団での盤石な地位なのか分からないが。
「死」までは不問ということなのだろう。
その辺りも小池修一郎は「宝塚のジャニー」なのかもしれない。