セクハラで退職とされていた演出家、原田諒と宝塚歌劇団の和解が報道された。
とはいえ以前は劇団の演出家としての復帰を求めていたので、退団を受け入れたともいえる。セクハラが否定されたのか、単に労働契約として解雇に問題があったのかは不明だが。
宝塚歌劇団としてパワハラ体質を認めた以上、戻ればまた糾弾は避けられない。現実的な落としどころといえる。
また宙組生の転落死事件についても、思うところがあったのではないか。
当時の文を改めて読んでみて、楽観的すぎたのを痛感した。あれほどの惨状に繋がるとは思いもしなかったのだ。
バタフライエフェクト並みの飛躍を承知で言えば、原田諒のハラスメント報道がなければ事件は起きなかった可能性が高い。
順序としては2022年12月27日に週刊文春にて報道があり、28日には公式ホームページに今回削除された「ハラスメントを行った団員は既に退職しており、現在は宝塚歌劇団及びグループ会社のいずれにも所属していないこと等」が掲載された。
反響の大きさからか、週刊紙は宝塚歌劇団のハラスメントを狙い出す。
週刊紙によるキャンセルカルチャーが実現したことは、天彩峰里のトップ娘役妨害にも有効な手段だと思わせた。
結果的に、ヘアアイロン記事の掲載へと繋がったのだ。
合意書の内容などを考えると102期の遺族含め故人側がヘアアイロン記事を掲載させ、劇団は2023年2月1日に即「全く事実無根」と掲載したことがパワハラ。
つまり死の原因になったとされている。
2023年2月3日にはヘアアイロン記事について宙組生に呼び出され、集まりを開かれた。 針の筵となり、居場所を失ったのは想像に難くない。
ヘアアイロン記事は遺族と故人の同期
102期の舞空瞳が『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』『JAGUAR BEAT-ジャガービート-』公演中
103期の夢白あやは『BONNIE & CLYDE』でのお披露目が数日後に迫るタイミングで出された。
トップ娘役としての公演に、水を差す形での文春砲だ。
102期と103期に思い止まらせる同期の絆があれば、違った結末を迎えられた可能性もある。
最悪の事態を避ける道はたくさんあったはずなので、原田諒や訴えた演出家のせいとはとてもいえない。しかし、きっかけになったのは事実だろう。
報道が無ければ、110周年も行えた。宙組も夢を見せ続けられた。
何より、命は救われたのだ。
原田諒の脚本はともかく、演出はかなり評価が高い。今後の演劇界を牽引することにはなるだろう。
宝塚での復帰を諦めたのは、責任を感じた面もあると信じたい。