Silver grass

AIタイトル挑戦中

宝塚歌劇111周年最長トップコンビは宙組!取り戻したいFF版権

ショーのみの新公演として、宙組公演再開が決まった。花組の柚香光と星風まどか、月組の月城かなとと海乃美月は退団公演中で、雪組彩風咲奈と星組舞空瞳も今年中の退団が発表されている。

つまり111周年である2025年の最長トップコンビは、芹香斗亜と春乃さくらの宙組だ。

 

コロナからの転落死事件で長らく中止されていた『タカラヅカスペシャル』も、年末こそはと期待される。現役最長トップ礼真琴と最上級生鳳月杏がいるものの、安定感を求められる立場にはなるだろう。

ギリギリ間に合う再開を決められた。

 

一方NHK大阪放送局は定例局長会見で、宝塚歌劇団の舞台放送再開について「今のところ考えていない」とした。

『FINAL FANTASY XVI』のネームバリューが与える恩恵は未知数だ。しかし倫理的なイメージではないSQUARE ENIXが取り止めたのは大きい。NHKスクエニよりコンプラ意識に欠けるとなっては困るだろう。

『宝塚111年の恋のうた』 と共にスケジュールが発表されることを祈っている。

 

もう一つ気になる版権問題は、イジメやパワハラ描写だ。

自殺描写は主役の自死さえ避ければ、カットやボカすのは難しくない。しかしイジメ描写はボカすと大抵話が成り立たず、別物に変わってしまう。

『セクシー田中さん』問題で改変に厳しくなっている今、同じ轍を踏むわけにいかないだろう。

 

SQUARE ENIXでコミカライズされ、いかにも宝塚向きな『わたしの幸せな結婚』は典型だ。

ヒロインが母親と妹から虐められなければ、まず話が始まらない。

 

花組公演『花より男子』は牧野つくし役の城妃美伶がわりと上級生だったため「下級生が上級生を苛める」効果を発揮していた。フィクションとして割り切って見れたのだ。

上級生が下級生を苛めるパワハラ描写と比べれば、かなり安心感がある。それでも今やるとなれば、なかなか難しいかもしれない。

 

舞台という生身の人間が目の前で演じる作品では、ショッキングなシーンのリスクが高い。

これまではベールに包まれた夢の世界観がカバーしていたが、隠蔽体質が叩かれた今はフワッと有耶無耶にすれば不信感が募る。

 

真に迫るリアリティーと夢の両立。

そこに著作人格権やコンプライアンスまで関わってくる、111周年の宝塚歌劇団はどんな変革を見せてくれるだろうか。

ヘアアイロンより酷い舞空瞳の煽りにドン引き

パワハラの証拠見せて」発言の村上浩爾理事長が仕切る中、星組トップ娘役・舞空瞳が退団記者会見を行った。

 

予科本科の関係かつ同期の姉が転落死した直後、一切中止せずに開幕させた『ME AND MY GIRL』で「充実感があふれ」たという。

自殺といえばの『ロミオとジュリエット』、故人の作品に出演が叶ったこと、パワハラ犯として訴えられた芹香斗亜の相手役『ハンナのお花屋さん』について語った。

 

退団前のミュージック・サロンが『Dream in a Dream ~永遠の夢の中に~』というのも、死を美化したようなタイトルだ。

事件については『記憶にございません!』と退団作品を貫きつつ、自殺、死を多用しフワッと軽い印象にしている。

 

合意書を締結した以上よっぽど決定的なことでないと、遺族は動かないと高を括っているのだ。

特に102期の同期である自分には、批判してこないと分かっている。

しかし合意が発表されて1週間ほどしか経っていない。その合意もパワハラを認めさせ金銭を受け取る、引き換えのようなものだ。和解とは言い難い危うい状況で、身勝手な自己満足を優先した。

 

故人がヘアアイロンにより火傷を負ったことを軽視したとして、宝塚GRAPHは謝罪している。「仮に故人が目にすることがあれば故人を深く傷つけたであろうもの、多大な心理的負荷を受けたことを軽視する態度、故人を悼む気持ちを持っていない行為、故人・ご遺族を冒とくするもの」全て、舞空瞳の言動に当てはまる。

しかもファンしか見ないような内輪雑誌より、宝塚歌劇団の代表として発言する会見の方がずっと重い。

あまりにも不謹慎であった。

 

それも故人とも遺族とも近しい、音楽学校生活を共にした仲間の発言だ。

白々しい笑顔と涙の奥に、もう人の心は残っていないのか。

合意書は102期のデジタルタトゥー

25歳娘役の転落死を巡り、宝塚歌劇団側と遺族側が締結した合意書が公開された。

遺族弁護士は「今後の宝塚の重要な礎となる」とし「合意書に反したら新たな紛争になる」と釘を刺した。

しかし合意書の内容に沿った稽古や舞台作りとなると、様々な歪みが出るのは明らかである。

 

(1)ヘアアイロンでの火傷に対して気遣いも謝罪もあった。「真に」ではないからとなると弁護士が発言していた「被災者がパワハラと思ったらパワハラ」が通ったのだ。

 

(4)会議室に呼ばれた件では他の項目にはある「被災者に落ち度がない」という文が無い。「週刊誌に上級生への誹謗中傷を掲載させた」と暗に認めている。

つまり加害者であっても、過呼吸になれば被災者となる。

 

(5)組替えという人事の要望が通らないこともパワハラとした。

遺族側は既に「何度も」とコメントしていた。(なお責任感ゆえに退団しなかったと103期以下に罪悪感を植え付け、でも組替え希望は出していて、聞いてくれないのはパワハラという無茶苦茶な矛盾ではある)

既に断っていても求められる度に考慮し説明することを課せば、プロデューサーの過重労働を引き起こす。

 

(2)の髪飾りは被災者自身が使う物へのアドバイスであり、(13)下級生の失敗は上級生の責任という意識があるからだ。

これをパワハラとすると、上級生は下級生の面倒を見ないことになる。

しかしトップスターや組長などの幹部、演出家は責任から逃れられない。商業としての舞台に仕上げなければならないのだ。

下級生を叱らない代わりに、役や出演そのものから降ろす権限が必要になる。

 

既に人気振付師が宝塚から決別すると公表したが、取引先との関係性は大きく変化するだろう。

宙組含めた中止や解決金などの出費も、この先タカラジェンヌ達の収入や舞台の予算に響く。

礼真琴の星組公演1789突発的中止でスケジュールを見直す流れはあったので、遺族が止めさせたといえるのは既に販売済だった分と、110周年記念行事くらいだろう。

しかし現実的に「宝塚が悪くなったと思う点」への恨み辛みの行き先は、102期である妹だ。

 

金銭や罰則ではなく、心情の話である。コメントしか出さなかった親と違い、顔も名前も経歴も晒しているのは大きい。一生、宝塚の変化に責任を持つことになる。

合意書が生んだ歪みによる新たな被害者、それこそ死者が出れば全て102期のせいになるのだ。

 

また102期は宝塚を離れても、合意書に反した行動を取ったらパワハラと言われるだろう。

ハラスメントの概念は変化が激しい。来年でさえどうなっているか分からないが、合意書として内容が公開され解決金を受け取った事実は消えない。

102期が生涯背負う、デジタルタトゥーとなる。

 

宙組公演『FINAL FANTASY XVI』の見合わせが発表される前に、週刊誌は版権元の期限に間に合わなかったと報じていた。合意内容を公開させる遺族弁護士に対し、非公開にしたい劇団とのこと。

この点に関しては、劇団の方が「真に」102期妹を気遣っていたのに

気付かせてくれる人間はいなかったのか。

歪な102期の同期アピールは虚しい

宙組公演中止は決定分だけで半年を超え、コロナを合わせると1年以上の中止を負わされている。宙組生は学年を止めた方がいい事態だ。

 

102期の妹は同期の御披露目とトップとしての舞台を潰し、バウ初主演も潰している。

再開の足掛かりに複数のバウワークショップの企画がされたが、遺族との和解を得られず頓挫したと報じられた。その主演の1人がバウ主演予定であった風色日向なら、同期に2度潰されたことになる。

 

生徒側が自主的にストライキしているなら分かる。裁判を起こすなり、デモをするのも自由だ。しかし自殺遺族の意向で、通常業務が左右されるなんて異常である。

もはや102期による同期潰しだ。

 

苦しむ宙組を余所に、舞空瞳は102期の同期を集めてミュージック・サロン『Dream in a Dream ~永遠の夢の中に~』を行なうと発表した。

故人と予科本科の102期でありながら、自殺直後の主演公演を天飛華音と共に開幕させた星組トップ娘役である。我関せずな態度で、宙組だけの問題に落とし込んだ。他組を中止や延期しにくくした結果、突発的な中断中止が頻発した原因でもある。

非情なのは感じていたがさすがに酷い。

 

星組102期が即中止を決めていれば一旦全組に広がり、宝塚全体で対応された。それならここまで揉めなかったであろう。

時期や立場からいって、中止や延期を決めて最も納得のいく状況だった。102期次第では、110周年記念行事があったかもしれない。

 

102期は同期アピールする前に、まず転落死事件の関係者に向き合うべきだ。史上最悪な状況に陥る同期は無視して、気楽な同期のみで仲良しごっこするのはおかしい。

無神経な笑顔は、気持ち悪いだけだ。

 

なにも星組だけではなく、現役102期は全組生がすべきことである。

宝塚歌劇団中が関わりたくないと避けていても、なんとかするのが同期だろう。

 

無難で楽な相手を選んだ、嘘臭い同期の絆では不信感がつのるばかり。

己を犠牲にする危険があっても、砕ける覚悟で当たっていく絆こそが本物だ。

女性蔑視社会における宝塚歌劇団

25歳娘役が転落死した原因として過重労働を認め、過密スケジュール回避のために宝塚歌劇110周年記念行事含め多くの公演が中止された。時間はかかり過ぎたと言える。

ここに至るまでに、気も漫ろな状態で公演を強行したり、急遽停止中止も出ていた。

 

何よりこれほど過重労働問題と言っているのに、週刊誌やネットニュースの多くは「いじめ問題」としている。

(犯人を102期の妹等近しい人物としたくない思惑としても)遺族の弁護士さえパワハラ問題といっているのにだ。

かつて宝塚音楽学校での不当退学を訴えた裁判も、何故かいじめ裁判といわれるようになっていた。

 

男社会であれば、労働災害としてのニュースで取り上げられていたであろう。女社会=いじめ、というジェンダーバイアスが令和の世の中でもここまで根深いものかと痛感している。

 

もちろん舞台上での事故死であれば、全て劇団の責任問題だ。安全が確認されるまで公演を中止すべきである。

歌舞伎のように自殺幇助や、(嘱託)殺人など突き落とされての転落死なら警察も交えて徹底的に調べるべきだ。

旧ジャニーズのように、未成年生徒への性的暴行が蔓延していたなら解体も仕方ない。

せめて楽天のように脱がせて笑い者にするような性犯罪的内容や、殴る蹴る等暴行の動画があるならまだ分かる。しかし女性からの加害とされる内容は、男性からの加害では訴える段階にならないようなレベルばかりだ。

このジェンダーギャップはもっと注目されるべきである。

基本的に男性から叱責された方が恐怖だが、女性に叱責されるのは「ムカつく」から仕返ししたいという気持ちになりやすい。

女性を訴える方が報復の心配も少なく、世の中も深く考えずに総叩きしやすい。そんな女性から女性へ、私刑のハードルが低いのも女性蔑視だ。

 

年間3万人前後が自殺している日本で、それなりに大企業なら社員の自死は普通に聞く。しかし会見はもちろん、一切報道されることもなく、不買運動もない。そもそも全ての自殺者を出した会社を不買していたら、生活は難しい。

 

102期の妹含めより近しい人物の影響は一切考慮せず、日頃愚痴っていた上級生だけが原因と決めつけるのは暴論が過ぎる。

また週刊文春に故人が深く関わる内容が掲載され、劇団内外が多いに荒れたのは明らかである。その後遺族が証拠として提出した故人と母親のLINEが、事前に掲載されていた。

そもそも加害者の個人名を出し、故人が関わっていることが明らかな内容を掲載した週刊誌を、遺族は責めない。

以上を考えると、遺族と文春に繋がりがあるのは明らかというか、隠す気もないようだ。

 

文春に取り上げられたこと自体が、自死を選ぶ大きな原因になったと思わない方がおかしい。家族が裏で手を回した結果ならなおさらだ。

また度重なる遺族のコメントを見ると、パワハラと訴えている内容と同じことをしている。

 

故意はないという相手に対し「遺族が満足する謝罪」を求め続ける→嘘つきやろう、マインドが足りない

既に認めている過重労働についても何度も責める、また「過重労働を強要したのはパワハラだから過重労働を認めたならパワハラも認めたということ」等と同じ話や謝罪を繰り返させる→何度も直させる

自殺の他の要因は考慮せずに全部上級生、トップスターや組長のせい→下級生のミスはあんたのせいや

 

戦略としてならまだ分かるが、素でこれなら罷り通ってしまっているのも恐ろしい。

社会は女の園での出来事に対して、被害者としての意見も加害者としての意見も真剣に取り合ってないのだ。

騒ぐ女に同情する名目で、ターゲットにされた女を叩けるだけ叩きたい。そもそもエリートぶった女の集団なんて気に入らなかった……今までもみえてはいた男社会の本音が堂々と現れだした。

 

結局、女性ファンが大半のエンタメなんて、無くなっても男社会は困らない。スターが社会復帰出来ないレベルに叩かれても、結婚したり実家に帰ればいいだろう……こんな感覚が当たり前の女性蔑視社会で、宝塚がこれほど長く守られていたのは奇跡であった。

今回の件で宝塚歌劇の男役中心主義や男役を立てる文化へも、時代遅れと批判が出ている。しかしそうしていなければもっと早く潰されていたか、男性向けに女性を消費する舞台となっていただろう。

 

男役を立てるのは、男社会からの盾として機能していた。

その盾が必要ない社会には、程遠いことを痛感する事件だ。

102期を透明化する遺族と誰も責めたくない宝塚

宝塚歌劇団の25歳劇団員女性が9月に急死した問題を受け、11月14日に歌劇団が会見を行った。

その週の週刊文春には、転落死した宙組103期生が母親に送っていたLINEが掲載された。

 

しかしこれは宙組が文春のターゲットにされるきっかけとなった記事が、母親が流した情報によるものだと言っているようなものである。

そもそも文春に掲載されても損しかない故人が、文春にリークしたとは思えない。それなのに宙組生から疑われるというのは、非現実的だった。

 

しかし「母親へ愚痴を漏らしていた」なら、隠しておけないだろう。普段から悪口を言っていたのが分かる文面なので、不仲は周知の事実。それなら宙組生との関係性は最悪になり、家族への不信感も募る。

組内でも家庭内でも安心出来る居場所が無かったように思えた。

 

死を選んだ原因に、母親に愚痴を漏らし、大事になってしまったことへの自責の念の可能性が追加された。何より家族との関係性にも悩んでしまったのではないか。

宝塚は退団してしまえば終わりだが、血の繋がった家族との終わりには死しか見えなくなる。

 

今回に限ったことではなく、自殺の原因は複合的な要因と思うべきだ。家族のように関係性が近ければ近いほど、要因になる可能性は高い。

近年では芸能人の自死が急増した麻痺なのか、遺族も事故死か病死のように語るようになった。正直、遺族に死の原因が一切ない前提に驚く。

事故なら確かにより悪い方のせいだが、自死はより傷付く相手が原因と思った方がいいのではないか。

 

双子の妹は102期の雪組男役だ。特に雪組は、宙組から現トップ娘役が移動してきた時期から売上が低迷している。コロナがあったので個人の責任にするのは酷だが、チケット捌きの責任が重い男役からすれば痛手である。母親自身、宙組に対して嫌な感情を抱いていた可能性は高い。

双子で予科本科という密な上下関係に、男役と娘役の格差もあっただろう。掲載されたLINEで日頃から愚痴を吐いていたことが伺えるが、母親に構って欲しい気持ちも読める。単に聞いて欲しいだけで、こんなことして欲しいわけではなかった。しかし積み重なった宙組上級生への悪口によって、母親の目を曇らせてしまった印象がある。

 

また音楽学校時代、102期の103期へのパワハラについては加害者も被害者も娘である。音楽学校でのパワハラをする側される側、同時期の両方の視点から聞いているはずだ。

しかし102期の加害については一切出さず、被害者としての個人的な内容ばかり言及している。根本的な問題を正そうとはしていないのだ。

 

以上を踏まえ、遺族が会見で読まれた文面を書いたかと思うと、恐怖を覚える。

宙組生を散々糾弾するわりに、102期の妹含め加害者でもある点には一切触れない。

遠巻きに見ていただけでも、死の原因に家族がある可能性は高いと感じる。それなのに、102期の妹は除外して特定の宙組生が原因という「結論ありきの捜査」を求めている。

これでは遺族側も、都合の悪いことの隠蔽体質そのものだ。

 

ヘアアイロンの件を傷害事件とするには、確かに証拠不十分だろう。

民事なら自由に裁判を起こせるが、そこはお互い様だ。103期が102期を訴えたり、宙組生が母親を訴えることも当然出来る。

火傷が故意なのかは証明出来なくても、悪口のLINEを流した証拠は自分から出したようなものなのだ。

 

こんなにもヘアアイロンの話題ばかりなのは、他が加害というには微妙だからかと思う。

ジャニーズの件がこんなに動いたのは、パワハラではない。未成年への性加害だ。

宝塚にざっくり置き換えると「理事長が音楽学校で未成年の生徒に強制性交」レベルである。

 

弁護士の成功実績らしい電通でも、セクハラが大きかったと記憶している。

宝塚歌劇団では、パワハラは指導の一環としてどう考えていくべきかの過渡期としていた。一方でセクハラは許さないと公言しており、演出家は即退団出禁となった。

今のところ、タカラジェンヌにセクハラ加害者としての文春砲は無い。

 

言動でパワハラとなると、差別的な発言である。要はコンプライアンス問題だ。

顔や体といった身体的な特徴を怒鳴れば、指導の域を越えている。実際に退団となった演出家も、顔の大きさや斜視について怒鳴ったとあり、ファンからも差別的過ぎると批判された。

しかし今回の宙組は、口調が優しければ問題ないだろう程度の内容であった。

 

もちろん過重労働は問題であり、そこは改善すると明言された。一方でコロナのような緊急事態では、他の舞台役者と比べ遥かに良い待遇であったのも事実である。

宝塚OGは、意外とSNSのやらかしが多い。一般人のそこまでキツくもないコメントに対しても、怒る、傷付く等過剰な反応をしたり、制裁的に晒したOGもいた。

閉じられた世界で厳しい面もあるが、守られている面も明らかにある。

 

タカラジェンヌは箱入りお嬢様のイメージが強いが、理事などの運営側やスタッフ団員、その家族も大半が箱入りである。お坊っちゃんお嬢ちゃん集団なのだ。百戦錬磨の週刊文春相手に、ろくに戦えるとは思っていなかった。

 

しかし手っ取り早く遺族の主張の穴をつくことも、言われるがままに宙組生を差し出すこともしない。

これが宝塚の仁義なのかもしれない。

宝塚ストライキ

宝塚歌劇団生徒の転落死により、大劇場公演やタカラヅカスペシャルの中止が決まった。また週刊文春を中心に記事が上がり続けている。

しかし別の組や劇場での公演はすぐに行われた。そのことに疑問の声も大きい。

 

個人的には急逝した生徒の103期と、その家族かつ予科本科の関係である102期で、ストライキぐらい起こるかと思っていた。

 

ハリウッドや百貨店を見ても、生徒が出来る手段で影響力があるとしたらスト決行だ。

そして宝塚のシステム上、最もストライキ向きなのは今なら102期103期なのである。

 

宝塚歌劇団は上下関係に厳しい反面、学年が上がるほど人数は減っていく。

つまり上級生は発言力があってもマイノリティで、マジョリティは下級生だ。

 

しかしコロナ初期の頃からも分かるように、下級生過ぎるとストライキしても人数を減らされて終わる。上級生過ぎても代役で済んでしまう。

役付きの良い生徒が多く人数もそれなりにいる、102期103期はストライキに最適な学年なのである。

 

宙組雪組の長期中止が決まっている以上、花組月組星組の102期103期(同期と予科本科)がストライキへ動く以外は、手段が無いと言ってもいい。

なぜならこの1ヶ月を見ていると、ファンの不買運動は望めないのだ。

 

宙組と週刊誌に取り上げられている娘役移動後の月組は、影響があるだろう。しかしせいぜい観劇が減り、フェードアウトしていく程度かと思う。

また社会的な正義や倫理より、贔屓を取るのが宝塚ファンである。あっさりとそれはそれで割り切ってしまう可能性も高い。

 

不条理で汚い現実を忘れるための作品、現実的な内容を排除した公式情報……そんな環境にハマってしまったファンにとって、自死は重すぎる。

真実や今後の対策といった、現実に向き合ってなどくれない。

綺麗で都合の良い夢で纏め、忘れさせてくれるのを待ってしまうのだ。

 

また宝塚にハマりたて、今心の支えにしている、贔屓がいるファン。そういった時期は過ぎているファンで温度差がある。

コロナの突然の中止、その後も続く中止の嵐。遠征中心のファンはいい加減に疲れていただろう。コロナも落ち着き、他の趣味の方が楽しくなっている場合も多い。

ファンが冷めてきた時期であろうタイミングで、更に冷静にさせる「現実」が向かってきたのが今回かと思う。

 

文春を攻撃したい場合も、加害者とされている生徒を攻撃したい場合も、一緒に攻撃する仲間を求めているようではある。

しかしよく考えてしまうと観点が多すぎるため「宝塚ファン一体となって」は難しい。

 

つまり「劇団が納得のいく説明をするまで劇場へいかない」という社会運動は、宝塚が現実である現役のタカラジェンヌにしか出来ない。

しかも説得力が出せるのは、亡くなった生徒と家族の同期かつ予科本科の102期103期だけなのである。

 

一部週刊誌では署名運動の話もあったが、ただでさえ秘められた世界が売りの、ブラックボックスが多すぎる劇団だ。ストライキのような外から見える行為でないと、意味が無い。

イジメやパワハラの真偽は特に、当事者からしか見えないことも多い。人伝に聞いて判定するようなことではない。私刑は論外である。

 

だからこそ当事者であるタカラジェンヌが動くことでしか、本質的な状況は変わらない。

もし生徒側が動いたら、せめて見守りたいとは思う。