相次ぐ不祥事でいまだ大荒れとされるフジテレビとはいえ、コロナ~転落死事件の影響で長らく出演のなかったFNS歌謡祭への復帰が発表された。
それもM!LK「好きすぎて滅!」で花組の永久輝せあ、聖乃あすか、極美慎、侑輝大弥、希波らいとがコラボ。
宝塚歌劇団の復活として大きな一歩であることは間違いない。
しかしネットは約5年間に及ぶ地獄と宝塚歌劇団の凋落が、さも無かったかのようなお花畑が目立った。全貌が明かされてはいないとはいえ、完全にM!LKに乗っかれた形だろうが。
「M!LKが宝塚に寄ってきた」かのようなコメントが多い。
今や飛ぶ鳥を落とす勢いのM!LKは、長年のキャリアがありながらもクリーンなイメージを保っている。
宝塚歌劇団と絡むことにリスクはあっても、メリットはないのだ。
以前は旧ジャニーズタレントとのコラボが多かった。ライバルである男性アイドルを極力排除しつつ、 炎上しやすい女性タレントは避けたい場合に「宝塚の男役」はちょうどいいコラボ相手だったのだろう。
しかし散々「女の園」として叩かれてしまった今では、男役だから女性とは違うとはいかない。特に武道館公演を成功させた前星組トップスター礼真琴も出演することで、永久輝せあとトップオブトップ引き継ぎ式のようにしたいのだろうが。女性としての出演を重ねている礼真琴の存在により、ますます永久輝せあを中心とした男役に女性性を見てしまう気がしている。
あえていうならM!LKがなにわ男子と同日リリースし、ファンの間でCD売上争いが行われた当時。メンバーの佐野勇斗がファンに感謝を伝えたところ、旧ジャニファンの怒りを買い「キラキラ衣装はジャニーズの伝統です」とのコメントがあったらしい。
宝塚ファンは「伝統というなら宝塚だろ」とツッコミたくなったはずだ。 実際にしたアカウントもあるのかもしれない。他にも一部STARTO社ファンのM!LK叩きは激しいらしいので意趣返し、旧ジャニーズの枠を片っ端から取っていくこと自体に意義があるのかもしれないが。
目玉になるだろう「好きすぎて滅!」をコラボに使うのは、 共感のあるフジテレビからの依怙贔屓気味な温情を感じる。
しかしあれほどのことがあっても、宝塚ファンのプライドは高い。
その中でも花組ファンは群を抜いて高い。
実際に宝塚は《M!LKの皆さん》なのにM!LKは《宝塚歌劇団・花組》と呼び捨てで発表したことについて、宝塚ファンからの批判が出ていた。
そんなファンからみてもキツいファンがさらに表面化しそうな要因は、事件やパワハラといった内情だけではない。パフォーマンスも公開処刑の恐れがある。
これまでのコラボ相手は旧ジャニーズなど、小柄な男性タレントに長身の男役を合わせるやり方であった。おかげでタカラジェンヌのスタイルが際立ちつつ、どんなに格好良いと騒いでも実際は女性なので穏やかに済んでいた。
しかしM!LKは高身長グループなので、小柄なトップスター永久輝せあはもちろん長身の男役さえも小さく見えそうだ。
「本物」と並ぶことで男役に見えにくいだけでなく、コスプレっぽくなってしまう可能性さえある。
M!LKファンにとっては大事な時期だ。「やっぱり女性だな」と判断されれば、距離感など絡み方にも厳しい視線を向けられるだろう。
またM!LKが歌いこみ踊り込んだ曲を 「歌わせてもらう」立場なのに、花組側は吉田仁人に対抗できるような歌唱力のスターがいない。
もちろん上手いは上手いのだがM!LKの他メンバーも普通に上手いため、相手の持ち歌を実力で圧倒するのは難しいだろう。
しかしこのような公開処刑の恐れ、さらにファンが持ち上げるコメントに無理矢理感が出てしまいそうな状況にも危機感が見えない。コロナ前の宝塚ファンはある程度一体感があったが、今は「応援しているスター以外は他人事」という風潮が強まっているのか。
ライバルとしてのギスギストラブルとはまた違った、ドライさを感じる。
そう考えるとおそらくコラボの趣旨とは違う「M!LKが宝塚にいたら」投稿は多く見るのに、「花組生がM!LKだったら」をあまりみないのもバズりやすさの差だけではないのかもしれない。
宝塚ファンであっても今の花組への興味がいまひとつで、解像度の高さがM!LK>花組になってきているのだ。
今や宝塚歌劇団という組織やシステムを愛して長年みてきたファンにとっても、筆頭である花組の主要スターよりM!LKの存在感が勝っているのだろう。