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月組105期と宙組103期の不穏な共通点

「今後も5組がそろって公演をお届けできるよう、安心・安全に舞台に立てる態勢づくりに努めてまいる所存」で再開する宙組公演『Le Grand Escalier -ル・グラン・エスカリエ-』東京宝塚劇場では貸切公演も多く入った。その次の雪組公演『ベルサイユのばら』-フェルゼン編-では宝塚大劇場の新人公演も発表され、平時といえる状態への道筋が見えてきた。

 

世間から冷たい目で見られてはいるものの、よくも悪くも関心は薄れてきている。

しかし宙組と同じ轍を踏みそうな「危険な新人公演」予備軍は多い。

特に不安視されるのは月組だ。

 

今年の長の期である104期は月組が最も少ない。予定通りきよら羽龍と天彩峰里をトレードしていたら、抜擢の目立つ長がいない事態にもなっていた。

さらに宙組新人公演では、移動したばかりの娘役が仕切る可能性が高かったのだ。

首の皮一枚で繋がったとはいえ、組替えしようとなった事実がもう恐ろしい。

 

組を超え路線男役が長期休演した103期のように、プレッシャーのかかる抜擢が多いスターも長期休演にはなる。

計画的だが星組トップスター礼真琴も休養期間を設け、その直前に星組公演 『1789 -バスティーユの恋人たち-』では長期や突発的な中止も起こった。

 

とはいえプレッシャー経験のある長の期、その中でも長が抜擢慣れしているかは、新人公演の安心・安全を左右する。

 

来年の長の期であり、奇しくも宙組公演 『オーシャンズ11』で初舞台生としてお披露目された105期の最終成績も反映された。

成績といってもコンクールではなく人事査定だ。つまりこれで誰が長の期の長を務めるかほぼ決まり、というか事件になったため長の生徒は退団しにくいように思う。

そのせいか雪組は音彩唯と次点に紀城ゆりや、星組は稀惺かずと、宙組は大路りせ、と安定感のあるメンバーを揃えている。

 

気になるのはトップ娘役として星空美咲が抜ける花組、そして宙組103期と状況が重なり過ぎる月組だ。

 

宙組では常に長にいた夢白あやが組替えで抜け、103期初の新人公演主演者亜音有星が長期休演となっていた。

 

月組105期でも詩ちづるが抜けている。最終で星組の3番に落ちたものの、月組時代は長にいたので頼りにされていただろう。

105期初の新人公演主演者である七城雅の長期休演を予想するわけではないが、重なり過ぎる。大事件が起こった状況と似ているのは、かなりのストレス要因だ。

もちろんすぐにでも大きな抜擢の変革や、人事移動がある可能性は高い。しかし現状の新人公演世代は、危険すぎて見ていられない。

 

安心・安全の新人公演、特に長の期の長への配慮が雪組星組宙組は高く、花組月組は低い。

この差が、事件に対する当事者意識の有無を如実に表している。