阪急阪神HDはステージ事業が前期比で減収減益だったと明らかにした。そのせいか公開された「宝塚歌劇団の改革に向けた取組の進捗状況について」が、所謂やってますアピールに見えてしまっている。
どんな組織にもいえるが大切なのは人手。人員の確保だ。
どんな取組も配慮も、人手が足らなければ負担でしかない。長期的には便利になったり余裕を持てるとしても、今までと変えるのはそれだけで負担になる。それをカバーする人員を、どれ程増やしたかに結局は行き着くのだ。
しかし日本中で人手不足が深刻化している上に、度重なる週刊誌へのリークで疑心暗鬼だろう。十分な人材が投入されるとは思えない。
そもそもタカラジェンヌの人数は限られており、新人公演世代については各組各学年で「穴がない」人材確保が必須となる。
しかし残念ながら、客観的に安心できるような対応は無い。
それでもこのタイミングで報告を出したのは、再開する宙組公演の抽選販売が立て続けにあるのも大きいだろう。確かに宙組再開が発表された辺りから、観ようとするファンを叩く「お花畑批判」が目立っていた。
しかしお花畑ファンを批判している層も、事件でファンを辞め宝塚は一切見ないというわけではない。もし「宙組以外は全部OK」ならば批判してる側も十分お花畑だ。
ではどうしたら「お花畑脳ではない」といえるのか。
劇団にとって「事件は気にしない」「このままでいい」というメッセージはチケットや配信、公式グッズを買う等のお金を落とす行為である。
一部劇場に行って嫌がらせするという話もあったが、どんな観劇態度だろうとネットの噂にしかならない。売れた事実が大事な世界だ。
どこにお金を落とすのがお花畑アピールか、順番でいうなら①は宙組で説明不要だろう。
トップ娘役春乃さくらがイメージガールを務める池田泉州銀行の利用はともかく。宙組生関連は全て避けるのが、お花畑じゃない条件になる。
②は星組。
自殺直後に故人と予科本科かつ遺族の同期である、102期の舞空瞳と天飛華音が主演公演を強行した組だ。
死を軽視する流れを作ったのに、同期ならよしとする遺族への不信感も抱かせた。2重の戦犯である。
舞空瞳は退団会見でも事件を矮小化する発言を繰り返し、加害者とされている芹香斗亜の相手役を上げ擁護した。
また加害者とされたのはほぼ星組出身者であり、星組トップスター礼真琴との共演歴も多い。
何より『記憶にございません!』はどうしたって、文春砲や会見への批判を揶揄することになる。
悪い冗談かと思ったがやるようなので、観るならお花畑脳だ。
③からボーダーだが月組かと思う。
次期トップスター鳳月杏は、花組で芹香斗亜との共演が多い。また中止になったとはいえ、天彩峰里ときよら羽龍の娘役トレード組替えを決めた組である。
104期105期が宙組並みに少なく、バランスの悪さに新人公演への不安が残る。今の月組新公体制を可とするのは、事件が起こる状況を批判しないことだ。
④は花組だろう。
元宙組トップ娘役の星風まどかはもちろん、芹香斗亜も在籍していた際は柚香光を中心に多くの共演がある。
トップコンビで複雑な立場だが、ディナーショーとミュージック・サロンでは故人の同期103期を集める配慮を見せた。休演などあっても問題なく復帰出来るよう、真摯な対応をしている。
最も難しい立場ながら、最適な対応を行った。
⑤は圧倒的。お花畑を批判するなら通いつめるのが雪組である。
故人の同期かつ盟友のトップ娘役夢白あやが耐えられず公演中止、それを受け止めた彩風咲奈も耐えきれないほどに心を痛め急遽中止を重ねたとされている。雪組の応援は、遺族である102期の妹への応援ともいえる。
宝塚音楽学校での飛び降り事件時、本科生であった105期の星空美咲が次期トップ娘役。新公体制にも不安が残る花組が④なのは、次期トップスター永久輝せあが雪組出身というのもある。
トップコンビの人間的対応、組を応援する意義、事件について劇団に物申したい気持ちを表現するなら、雪組を1番売れる組にするのが最も効果的だ。
つまりお花畑ファンを批判する、自分はお花畑じゃないと主張する行動は「雪組に通い、花組月組はそれなり、星組宙組は一切観ない」
ただ宙組抽選がアンケートだと騒がれていることで、むしろ結果を見るために応募したい気持ちも出てきた。
コロナ初期レベルに複数当選するのか、一切当たらないのか……自分だけに公開される世論調査なのだ。
お花畑に決してならない信念を否定はしないが、分かった上でなら自由も尊重すべきだろう。