礼真琴が「令和の」トップオブトップとされている通り、次期トップオブトップは微妙に宙に浮いている。
任期は様々な事情が絡み、長期でも単に長いだけとされる。武道館など大きな会場での公演はトップオブトップの証になっているものの、あくまでも退団に向けた餞。
ではいつ差がつくのかといえば、トップスターに就任後早めに外部賞を取ることだろう。
次の永久輝せあ『蒼月抄』は宝塚大劇場3作目の日本物だ。
礼真琴『柳生忍法帖』、明日海りお『新源氏物語』を踏襲しており、 ここで受賞して明確にトップオブトップ化する想定と思われる。
しかしタカラジェンヌに安定して賞を与えてきた文化庁芸術祭は、贈賞を廃止している。他の賞でとなると、若干ハードルが上がりそうだ。
正直ここまでとは予想していなかったが、極美慎の加入により前回の『Goethe!』や『悪魔城ドラキュラ』『愛, Love Revue!』のチケット余りが嘘のように捌けている。
とはいえ3番手だけで、これまでの不人気イメージを払拭するのは難しい。
これまでのあまりに期待外れな不入りっぷりに、客もテンションを下げている雰囲気さえある。
取って付けたような受賞では、反感を買うだけだろう。
また他の外部賞となると、あっさり取ってしまいそうな朝美絢がいる。
宝塚が完売しにくくなったせいもあり、何をやっても売れるのは原作サイドにとっても大きな信用だ。今後も話題作がくるだろう。
一般受けするビジュアルに、圧倒的な集客力、そこに名作も加われば。普通ならもう、トップオブトップということになってしまう状況である。
宝塚の築いた伝統という、システムがどこまで枷となるか。
暁千星は礼真琴が武道館公演で宝塚を復活させ、111周年を成功させた上で満を持しての就任。
長きに渡る大混乱や殺伐とした時代がやっと終わり、久々に晴れやかな祝福ムードで就任した唯一のトップスターといえる。
次の大劇場『RRR × TAKA”R”AZUKA ~√Rama~』は外部とのコラボ状態。 外部版とセットで評価を得やすいため、相乗効果で受賞もあり得そうだ。
鳳月杏が受賞した場合、轟悠のような本当のトップオブトップになりそうではある。それはそれで良いかもしれない。
桜木みなと、というか宙組はそれどころではない。
ただ元々宙組は別物という風潮もある。真風涼帆が大規模コンサート、コラボや超大作を次々成功させながらまるで無かったことのようにされているのが現状だ。
ネットの普及で明確な集客力を隠せなくなった今、トップオブトップという立場が作られるとしたら。
実質の朝美絢、形式の永久輝せあ、タイミングの良い暁千星の三つ巴といえる。
それともそのやり方から脱却するのが、宝塚歌劇団の改革なのだろうか。