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宝塚で推し活が嫌われる理由

痛バ(勝手に作ったスター写真グッズを大量に着けた鞄)の宝塚ファンが炎上したらしい。

これには色々な要素が絡んでいるように思う。ネットのネタ元まで探る気にならなかったので苦言を読んだ程度だが、似たようなことは以前からあった。

 

①オリジナルグッズを勝手に作る行為

正当性のある主張として、まずここがある。スターの写真を勝手に使ったグッズ制作は肖像権の侵害という点。

 

タカラジェンヌは基本的に、私設FCとして後援会がある。この立場が微妙なのだが「劇団という公式ではないがスターという公式」である。

つまり「グッズが無いから作った」は通用しない。公式に金を落とす方法はいくらでもある。

 

また学年や立場によって暗黙のルールがあり、立場を越えたグッズやクオリティーは問題になる。

宝塚ファンにとって、いわゆる「推し活」は私設FCで行うもの。会員でない、自己流推し活は批判される。

さらに私設FCでどんなものが作られているか、何が許可されているかはだいたい他言無用である。表立って出来る推し活はほぼ無いため、やってる時点でアウトなのだ。

 

ただお手紙文化でもあるので、ポストカードをデコって送るとか、写真を使って作るファンは昔から多い。

自分で使うのは駄目だけど、スターに送るのは有りというのは微妙な矛盾ではある。

 

②スターの認知を狙う行為

作ったグッズを客席でアピールする場合があるらしく、そこも批判の的となった。客席降りも復活し「見て貰おうとするファンが目に余る」という意見も目立つ。

分からなくもないが、コロナ前はもっと積極的だったように思う。客席から舞台へ物を渡すとか、声かけもザラだった。

 

コロナでライブ配信が完備され、OGもインスタライブなど多く行うようになった。SNSを通して応援するようなやり方も一般化し、そのノリが現実にも出てきた面はある。

しかしある意味、舞台と客席の距離は開いた。古参の方が客席参加型の意識は強い印象だ。

 

自己表現の場所にしてる違和感は分かるが、公演のイメージに合った服装や組カラーのようなオシャレは良い。

ポスターまで徹底的にモノクロに赤の星組公演 『Le Rouge et le Noir赤と黒~』では、観客の多くが赤と黒の服を着ていた。むしろ他の色を着ている方が目立っていたのだ。線引きが難しい。

逆に認知は一切ないだろうが、座席で香水をまきだしたのがいた時は本当にキツかった。

結局マナーの問題に思う。

 

また前述した私設FCでは、認知を狙った行為は普通に行われてしまう。グレーゾーンは全て、会の裁量次第なのが現状である。

しかし私設FCでの脱税も騒ぎになった。当時は私設で切り離せたが、次は無理だろう。

コロナでの中止やチケットが用意できない場合に、お花代(サポート代)が返金されないのも週刊誌で叩かれている。名目はともかく実質手数料の形式で取っていて、大きい金額も絡むので詐偽扱いされても仕方ない面はある。

 

パワハラも議論し尽くされ、一応解決となった。今最も掘り下げられたくない、宝塚歌劇団のアキレス腱は私設FCだ。

そんな私設FCを盾に、新規や若いファンを批判するのはなかなか危ない橋を渡っている。

 

③景観を損ねる

結局本音はここかな、という印象だ。

要は「宝塚らしくない」問題である。

 

舞台を観に来ているファンにとって、客が目立つというのはそれだけで邪魔だ。

その目立ち方が、他の界隈でのやり方となると宝塚ファンの逆鱗に触れる。

 

今や宝塚歌劇団はバッシングの対象でもあるが、宝塚ファンは宝塚のファンであることに誇りを持っていることが多い。

演劇やミュージカル界ならともかく、アイドルやアニメ等のファンが掛け持ちしてるだけでも嫌そうなのだ。

同じスタンスで応援(推し活)するのを、毛嫌いするファンは多い。

 

郷に入っては郷に従えなのは分かるものの、新参と古参の相容れなさは難しい。

劇団の方針と私設FCの方針、それぞれの事情だけでなく本音と建前も微妙に違うのだ。

宝塚が新しくなろうとしている以上、ファンも温故知新であるべきか。