ブランク明けなのに新人公演の完全復活が確定した、宙組公演『宝塚110年の恋のうた』『Razzle Dazzle』。
宙組の事件には人数という明らかな問題があったはずだ。人員を増やさず工夫で乗り切ろうというのは、典型的な失敗パターンである。
出来れば宙組を、103期以下全ての期が最も多い組して欲しい。
せめて抜擢経験豊富な新人公演世代のスターを大量異動させ、最も人数が多い新人公演にしないと不安過ぎる。
しかし宝塚歌劇団の村上浩爾理事長は報道陣の取材で、現在在籍者が60人と他組に比べ3割近く少ない宙組の再編について「いまのメンバーで前に進めていくのが大事」と回答した。組替えはあるものの、人数の少なさを即解決する気はないらしい。
その理由は「宝塚は座付き演出家なので、組に合わせた作品ができるので」
つまり舞台のクオリティーに問題が無ければ人数は少なくていい、ということだ。
しかし論点がおかしい。舞台上に大勢いるシーンは少ないし、約半数になる別箱公演のクオリティーが低いわけでもない。
人数の少なさが問題なのは裏側での負担が増え、集客力に直結するからである。
上記の通り宝塚歌劇団の集客を支えているのは、スター個人についているファンだ。
チケットは売れるとなるとより売れるように、売れないとなるとより売れなくなる。『FINAL FANTASY XVI』のような版権が使えないなら、人海戦術頼りになるだろう。
それにはやはり人気知名度のある下級生を、他組から入れるしかない。特に新人公演世代は組替えで、人気知名度が頭ひとつ抜ける。
今の宙組で急にトップや番手を担えというのは嫌がられるだろうし、トラブルの元だ。
しかし若手ホープならスター自身もファンも受け入れられそうに思う。週刊文春では組替え宙組生への批判が主だったが、一気に大量移動なら変に浮かずに済むだろう。まだ同期がたくさんいる世代だからこそ出来ることでもある。
正直クオリティーについても新人公演は、公演を続けてきた他組と差がついてしまう可能性が高い。今は配信もあるので見比べられ、売上も差があれば明確になってしまう。
そういった点に配慮をしなければ、またトラブルの元となる。
チケットが捌ける下級生を宙組に集めるのは、パワハラの抑止にもなるはずだ。
下級生が集客力を持つことで、健全なパワーバランスの調整も出来る。
どうとでもいえる説明ではなく、まずは客観的に安心させて欲しい。