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星組公演の低迷から考える売上の要素

星組 全国ツアー公演『バレンシアの熱い花』『パッション・ダムール・アゲイン!』が、近年ワーストと思われる余りぶりを出している。

コロナ自粛も落ち着き、むしろその反動か瞬殺が当たり前になってしばらく立つ。しかし今回は公演数が少ないにも関わらず、発売から大分経った現在も土日、大千秋楽までがS席A席共に残っている。


ラストの福岡に至っては、完売日が無い非常事態である。

日程から考えると、コロナ前を含めた近年でもワーストかもしれない。

 

すぐに売れたのは本拠地大劇場から近く宝塚歌劇団の首都圏である関東関西、2番手役瀬央ゆりあの出身地である広島公演のみであった。

 

特に地方のチケットは、宝塚が公式に認めているチケトレでは取り扱い外である。なんとか余らせたチケットを捌こうと、非公式でかなり値下げした投稿も数多く出ている。

なお公式HPではそのような大幅値下げ、叩き売り状態も含めた非公式転売さえ「警察沙汰も辞さない」と辛辣なコメントを出していた。こちらも異常事態である。

 

公式非公式総合すると、大量にチケットを余らせている。近年では完売が当たり前で、むしろ完売までの時間を競う宝塚にとっては、既に大失敗という結果が出た。

 

そしてこの売上低迷は、宝塚のチケット捌きが「恥の文化」頼りということを証明している。
つまり純粋に観たいかよりも「贔屓の顔を潰したくない」、「体面を保たせたい」というのが購買理由の大部分を占めているのである。

 

なぜなら今回は出演者の全員が責任逃れ可能で、「誰かのせいに出来る」立ち位置なのだ。

 

凪七瑠海……主演であるが専科のため、星組を背負ってはいない。売れないのは組(子)のせいで済む。
また全ツ主演級でワーストでも専科での集客力はトップクラスなのは明らかなため、立場が危うくなるような状況でもない。

 

瀬央ゆりあ……2番手役のため、出演するかさえなかなか分からなかった。それでも出身地である広島公演が即完売したという、充分な結果を出している。
他の出演者は更に、ギリギリまで分からなかった。

 

舞空瞳……立場やキャリアにしては、低すぎる集客力だ。しかし、宝塚が娘役の集客力を当てにしているかは疑問である。

また裏ではこれまで相手役であった礼真琴が、史上最大レベルのチケット難を起こしている。

今までの売上がコンビではなく、トップスター1人で賄われていたのを、一般にも明示しただけであろう。
トップスター会より安く、チケットが取れやすそうという理由で私設FCに入った「偽装会員」を炙り出した可能性もある。

 

つまり売上低迷の責任は、かなり判断が難しい。
むしろ普段から純粋な売上など極一部で、恥の文化というファン心理が無ければ、あっさりと売れなくなることを証明されたように思う。

コロナ初期は同情的に見られていた演劇界だが、最近ではアップデートを疎かにしている点が目立っている。

歪な販売手段にも、見切りをつける時が来たのではないだろうか。